7月にフィンランドで体験したい最高の8つのこと

Hanko, summer

クレジット: Noora Tammisto

冬のワンダーランドから白夜の遊び場へ

フィンランドが本領を発揮するのは、まさに7月。雪に覆われた冬の世界から、太陽が沈まない夏の楽園へと姿を変えるこの季節、島々を巡るアイランドホッピングやユニークなフェスティバル、世界一甘いとも言われるイチゴ、そして沈まぬ太陽の下で歩くラップランドの静寂な風景……。南部では気温20〜25°C(70〜80°F)、ラップランドでも少し涼しめながら快適で、年間で最も過ごしやすい気候が楽しめます。

ここでは、フィンランドの夏休みを特別な思い出にする8つのアイデアをご紹介します。

クレジット: Miki Watanabe

フェスティバルを巡って夏を満喫

フェスティバルを巡って夏を満喫 屋外イベントなら、7月が断然おすすめ。フィンランドの夏フェスは、「本当にこんなイベントがあるの?」と驚くものから、「これ以上に楽しいものはない!」と思えるものまでバラエティ豊かです。

たとえば、「妻運び世界選手権」ことユーコンカント。大人たちがパートナーを背負って障害物レースを駆け抜ける、まさに笑って楽しめるフィンランドならではの競技です。

音楽ファンには、ポリ・ジャズが海辺の街をクールな音楽の都に変え、イロサーリロック(ヨエンスー)、ルイスロック(トゥルク)、クオピオロック(クオピオ)などのロックフェスでは、国際的なヘッドライナーが湖畔や海辺の絶景を背景に登場します。タンゴマルッキナット(セイナヨキ)では、フィンランド人のタンゴへの情熱が伝わり、カウスティネン・フォーク音楽祭では、小さな村が世界のフォーク音楽の中心地に変わります。

アドベンチャー好きなら、世界一泥だらけで笑えるスポーツ体験「沼サッカー世界選手権」も見逃せません。オペラファンには、サヴォンリンナの古城で開催される伝統あるサヴォンリンナ・オペラフェスティバルがおすすめ。

ハンゴ・レガッタでは海の伝統と夏の社交が融合し(フィンランド版ハンプトンズのような雰囲気)、オウルのハイルオトで開催されるバットレ・フォルクでは究極のインディー音楽体験ができます。どのフェスティバルも、フィンランドの夏の魂の一面を映し出しています。

クレジット : Ruisrock, Riikka Vaahtera
クレジット: Finnish Heritage Agency, Lauri Oino

ヘルシンキ流・島レストランと白夜カクテルを楽しむ

夏のヘルシンキは、現地流の暮らし方を体験する絶好の季節。朝はカウッパトリ(マーケット広場)でトリカハヴィ(市場コーヒー)を楽しみながら、クラウドベリーやユニークなデザイン雑貨を物色しましょう。朝食後は、歴史あるエスプラナーディ公園を散策してみては?

日中は、ヘルシンキの夏ならではの体験、島レストランでの食事へ。フェリーに乗れば、スオメンリンナの要塞レストランや、海辺のサウナと食事が楽しめるロンナ島、季節限定のレストラン・サーリ、歴史情緒漂うセルカンリンナ、洗練された水辺のHSSパヴィリヨンキへも数分でアクセス可能。水に囲まれた静かな空間で北欧の旬の味覚を味わえるのは、まさに特別なひとときです。

夜は、アッラス・プールでカクテルと音楽ライブを楽しみましょう。白夜の下、バルト海の水平線を眺めながらのライブは、眠るには惜しい至福の時間です。

クレジット: Juho Kuva

3. 真夏のイチゴ天国へ——フィンランドの夏の味覚を堪能

フィンランド人が夢中になる夏のごちそうといえば、イチゴ。その理由は食べればすぐにわかります。白夜の太陽のもとでじっくりと熟したフィンランドのイチゴは、小ぶりながら甘みが凝縮され、香りも豊か。なかでも人気なのが「ポルカ(Polka)」という品種で、地元の人々に長年愛され続けています。

7月はまさに旬のど真ん中。ヘルシンキからオウルまで、各地のマーケット広場には色鮮やかなベリースタンドが並び、通りを甘い香りで満たします。採れたてのイチゴをそのまま味わうのもよし、フィンランド風パンケーキ「レットゥ(letut)」の上にたっぷりのホイップクリームとともにのせるのもおすすめ。

よりローカルな体験を求めるなら、農園での「イチゴ狩り(自分で摘む)」や、「mansikka(イチゴ)」という看板が出ている道端のスタンドに立ち寄ってみましょう。なかでも、スオネンヨキは“フィンランドのイチゴの首都”として知られる場所。イチゴ好きにはたまらないスポットです。

Credits: Harri Tarvainen

4. ムーミンに会いに行こう

ナーンタリにある ムーミンワールド は、ただのテーマパークではありません。そこは、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが描いた、哲学とユーモアが交差するムーミンの世界への入口です。7月はベストシーズン。ムーミンハウスを探検したり、キャラクターたちと触れ合ったり、子どもの頃のようなワクワクした気持ちを思い出させてくれます。

それだけではありません。タンペレにある ムーミン美術館(Moomin Museum には、世界最大のムーミン原画や貴重な資料が収蔵されており、ファン必見の場所です。ヘルシンキ中心部の アテネウム美術館(Ateneum Art Museum でも、ヤンソンの原画が展示されることがあります。

さらに、エスプラナーディ通り沿いには、ムーミンマグ、ぬいぐるみ、テキスタイルなどムーミングッズがぎっしり詰まった「ムーミン アラビア ショップ」があり、ムーミンファンの夢を叶えてくれます。

詳しくは記事「フィンランドでムーミンに出会える場所 – 完全ガイド」もご覧ください。

クレジット: © Moomin Characters™ Theme Park created by Dennis Livson

5. オーランド諸島で、やさしい夏の陽射しを満喫

フィンランド南西部のスウェーデン語圏に位置する オーランド諸島。この群島では、夏がまるで静かな夢のようにゆっくりと流れます。自転車を借りてアイランドホッピングを楽しみながら、中世の城や素朴な漁村、地元の魅力が詰まったレストランやカフェを巡ってみましょう。海沿いのゴルフコースもあり、バルト海を望む絶景のなかでプレーを楽しめるのも魅力です。

首都マリエハムンの 海事博物館 を訪れたり、歴史ある ボマルスンドの要塞跡 を探索したり、美しい カステルホルム城 のまわりを散策したりと、見どころも豊富。あるいは、岩場に腰を下ろして、北欧らしい静寂と陰影に満ちた“ノルディック・ノワール”的なひとときを味わってみるのもいいでしょう。

高級スパリゾートから素朴なキャンプ場まで、多彩な宿泊スタイルがそろっており、群島内はフェリーで簡単に移動可能。移動そのものが、まるで美しいクルーズのような体験です。

詳しくは Visitaland.com をご覧ください。

クレジット: Mariia Kauppi

6. 湖水地方で、クラシック蒸気船のクルーズを楽しむ

鏡のように穏やかな湖をゆっくり進むクラシックな蒸気船――これほどフィンランドの夏のロマンを体現するものはありません。フィンランドの湖水地方では、過去の時代へタイムトラベルするような歴史ある船旅を楽しむことができます。

なかでも注目は、歴史ある S/S Heinävesi(ヘイナヴェシ号)。サイマー湖水系を巡るこの蒸気船は、島々の間を縫うように航行し、まるで浮かぶ時間旅行装置のよう。ヘイナヴェシ運河やサヴォンリンナ、クオピオなどでも乗船可能です。

もうひとつのおすすめは、S/S Suomi(スオミ号)。パイヤンネ湖で運航されるディナークルーズでは、湖畔の森を眺めながら、地元の食材を使ったディナーが楽しめます。

タンペレでは、20世紀初頭に建造された S/S Tarjanne(タルヤンネ号) に乗り込み、過ぎ去りし時代の空気を感じるレトロな航海へと出かけましょう。

7. ラップランドで白夜キャンプと絶景ハイキングを満喫

7月のラップランドは、まさにハイキングとキャンプの楽園。しかも太陽が沈まないという、どこか神秘的な“白夜の魔法”が加わります。まず挑戦したいのは、オウランカ国立公園にある名高いカルフンキエロス(Karhunkierros)トレイル。吊り橋が急流をまたぎ、進むごとに新しい風景が現れる、冒険心をくすぐるルートです。

さらに、フィンランド随一の山岳風景を誇るヘッタ〜パッラス間のトレイルでは、手つかずの自然の中を55kmにわたって縦走することができます。

本格派のアウトドア派には、果てしなく続くトレイルが広がるウルホ・ケッコネン国立公園がおすすめ。写真好きには、壮大な峡谷美が広がるケヴォ峡谷が心を奪います。また、ラップランド登山の入門には、険しいながらも歩きやすいピュハ・ルオスト国立公園のルートが最適。ゴールドラッシュ時代の面影を残すレメンヨキ国立公園では、金鉱の歴史が息づくヨーロッパ最大級の原生地を歩けます。

夏のラップランドでは、蚊との遭遇も避けられませんが、実は賢いハイカーには対策があります。それは、風通しの良い尾根や丘の上など、蚊が苦手とする開けた場所を選ぶこと。絶景スポットは、実は虫よけ効果も抜群なのです。

ラップランドの国立公園

 

クレジット : Kota Collective
クレジット: Markus Kumpula / Flatlight Films

8. フィンランド流のビーチライフを楽しもう

フィンランドの海岸線には、思わず驚くほど美しい砂浜の楽園が点在しています。知られざるこのビーチ文化は、世界の名だたるリゾートにも引けを取りません。

たとえば、ヘルシンキの ヒエタニエミ・ビーチ は、北極圏にほど近い都市型ビーチの代表格。ビーチバレーコートや、思いのほか泳ぎやすい海があり、都会の真ん中でリラックスした夏時間を楽しめます。

本格的なビーチリゾートを味わいたいなら、西海岸の カラヨキ へ。広大な砂丘が広がる光景はまるで“小さなサハラ砂漠”。ただし、すぐそばにはサウナも完備されており、その快適さはフィンランドならではです。

また、ポリ近郊の ユーテリ・ビーチ は、何キロにもわたる真っ白な砂浜と砂丘が続く絶景スポット。散策しながら、「どうして今までフィンランドにこんな素敵なビーチがあるなんて知らなかったのだろう」と思わず考えてしまうはずです。

クレジット : Emilia Hoisko

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